スマホだけで、すきま時間に少し稼げたら助かる。

そう思って広告をタップしたら、LINEの友だち追加を案内された。

ここで「このLINE副業、怪しくないかな」と手が止まった方に向けた記事です。

LINEで連絡を取ること自体は、ふつうの会社でもやっています。

危ないのはLINEではなく、仕事の中身を説明しないままお金を求めてくる副業です。

国民生活センターや消費者庁が公表している事例を使って、どこで見分ければいいかをまとめました。

LINE副業は怪しい?|結論

LINE副業は、LINEに登録すること自体が危ないわけではありません。

仕事の中身と報酬の出どころが説明されないまま支払いを求められたら、そこで手を止めてください。

「LINE副業」という決まった仕事があるわけではありません。

LINEで連絡を取りながら進める副業をまとめてそう呼んでいるだけで、中身は会社ごとにまったく違います。

いまは多くの会社やお店が公式LINEを持っていて、お知らせや問い合わせの受け付けに使っています。

友だち追加しただけで、お金を取られることはありません。

分かれ目になるのは、登録した後に何を言われたかです。

このあと、怪しいと言われるようになった背景を数字で見てから、見分け方に進みます。

LINE副業が怪しいと言われる理由を公的データで見る

LINE副業が怪しいと言われるのは、「簡単に稼げる」とうたう副業の相談が増えているからです。

相談で出てくる金額も、ここ数年で大きく上がっています。

国民生活センターの公表資料から、数字を2つ取り出しました。

簡単な副業の相談は平均契約額が約4倍に

国民生活センターには、「スキマ時間に稼げる」とうたう副業の相談が年々多く届いています。

下のグラフは、簡単なタスクで稼げるとうたう副業の相談を、年度ごとに並べたものです。

棒が相談の件数、線が契約や請求された金額の平均です。

国民生活センターのグラフで、簡単なタスクで稼げるとうたう副業の相談が2020年度1,341件から2023年度3,694件に増え、平均契約購入金額が279,519円から1,059,658円に上がっている

平均契約購入金額は、2020年度の約28万円から、2024年度(7月末まで)の約106万円に上がりました。

SNSがきっかけになった相談の割合も、23.0%から70.1%に増えています。

「スマホで簡単に」の話が、最後には100万円前後の契約や請求につながっているという数字です。

副業の相談をしているのは20代が一番多い

国民生活センターの2025年度の集計では、「内職・副業その他」の相談は11,751件でした。

年代別に見ると、20歳代が34.3%で一番多く、平均年齢は37.9歳です。

どの年代からも相談は届いていますが、一番多いのは社会に出て間もない20代でした。

数字をまとめると、次のとおりです。

年度国民生活センターの数字
2020年度タスク副業の相談1,341件
2023年度同じく3,694件
2024年度平均契約額は約106万円(7月末まで)
2025年度副業の相談は20代が34.3%

相談事例を読むと、何を言われたら危ないのかがはっきり分かります。

LINE副業で被害が出ている3つの流れ

被害が出ている流れは、公表されている事例を見ると大きく3つに分かれます。

どれも、仕事の中身や報酬の出どころがはっきりしないまま、支払いの話だけが先に進んでいます。

アンケート副業がアフィリエイトに変わり借り入れて250万円を払う

1つ目は、最初に聞いた仕事とは別の副業を勧められ、借り入れてまで高額なプランを払う流れです。

消費者庁が2025年6月に出した注意喚起の事例は、アンケートに答える副業の広告から始まります。

その後、アンケート副業に必要だというガイドブックの購入を求められました。

その先の電話で、「当社が案内する副業はアフィリエイトです」と説明されます。

最初に聞いたアンケートの仕事とは、別の話になっていきます。

消費者庁の資料に書かれていた勧誘の部分が、こちらです。

消費者庁の注意喚起の資料で、60日間の250万円のサポートプランを勧められ、消費者金融から借りた数百万円を指定口座へ入金させられる流れが書かれている

見ての通り、60日間で250万円のプランを、借り入れまでして払わせています。

サポートにお金を払うこと自体は、それだけなら珍しい話ではありません。

問題は、払った金額に見合う報酬が得られなかったという相談が各地に数多く届いていることです。

消費者庁の注意喚起(2025年6月26日)には、勧誘の流れが5つの段階に分けて書かれています。

最後には、それまでのやり取りを削除するよう求められた、とまで書かれていました。

「いいね」するだけのタスク副業で入金を求められる

2つ目は、動画に「いいね」を押すなど、簡単な作業で報酬がもらえるとうたう副業です。

国民生活センターが2026年5月に「20~30代に被害が急増中」として公表した事例を見てください。

国民生活センターの相談事例で、「いいね」の作業で約2,500円の報酬を受け取った後、グループの連帯責任として約50万円の入金を求められている

最初に約2,500円が本当に振り込まれているので、信じてしまうのも無理はありません。

ところが次の段階で「失敗したのでグループの連帯責任になる」と言われ、約50万円を入金しています。

国民生活センターは、このタイプについて次のように書いています。

最初に少額の報酬が得られても、その後に、高額報酬のタスクをするため、タスクを失敗した連帯責任、などと称して振り込みを要求されるケースが目立ちます。いったん振り込んでしまうと被害回復は困難です。

国民生活センター「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」(2026年5月19日)

報酬を受け取るためにお金を払うという順番になった時点で、もう仕事とは呼べません。

投資グループに招待されて手数料を求められる

3つ目は、副業の話から投資の話に移っていく流れです。

警察庁の解説ページには、この流れが図になっています。

投資のグループに招待され、サクラが「もうかった」と投稿するのを見せられます。

最初は、偽の利益の一部が実際に振り込まれます。

全額を引き出そうとすると手数料や税金を求められ、最後は連絡が途絶えます。

警察庁は、一度だまされると何度も振り込んでしまい、1,000万円以上の被害になることもあると書いています。

3つの流れには、共通点があります。

仕事の中身が説明されないまま、払う金額だけが大きくなっていくことです。

次は、登録した後に何を言われたら手を止めればいいのかを、4つのサインに整理します。

安全なLINE副業か見分ける4つのサイン

安全なLINE副業かどうかは、登録した後に次の4つのどれかを言われたかで見分けられます。

1つでも当てはまったら、それ以上お金を払わずに手を止めてください。

言われたこと何が危ないか
仕事の中身は払った後に教える何にお金を払うのか分からない
報酬を受け取るには入金が必要受け取るはずのお金のために払っている
収入を多めに書いて借りて返せない借金だけが残る
やり取りを消して・アプリを入れて証拠が消え、スマホを操作される

仕事の中身が払う前に説明されない

国民生活センターの2023年の注意喚起に、LINEの友だち登録をした20代の事例が載っています。

届いたメッセージは「仕事の内容を知るには2万2,000円のテンプレートマニュアルの購入が必要だ」でした。

何をする仕事なのか、報酬はどこから出るのかが払う前に説明されないなら、比べようがありません。

報酬を受け取るために入金を求められる

「出金するには手数料が必要」「次のタスクに進むには入金を」と言われたら、そこで止めてください。

本来もらう側のはずのお金を、先に払う側に回されているからです。

収入を多めに書いて借りるよう言われる

国民生活センターの2026年5月の資料には、アルバイトで月収10万円強の20代女性の事例が載っています。

消費者金融の申し込みで「正社員で年収300万円」と書くよう言われていました。

この事例では、その日のうちに合計450万円を借りていました。

同じように借り入れさせる手口の相談は、契約の平均額も年々上がっています。

国民生活センターの資料で、複数の貸金業者から借り入れさせる手口の相談の平均契約購入金額が2025年度に257万円になっている

こうした「借り入れさせる手口」の相談は、2025年度の平均契約購入金額が257万円でした。

申込書の収入を実際と違う内容で書くよう指示されたら、その時点で相手を信用しないでください。

やり取りの削除や遠隔操作アプリを求められる

消費者庁の事例では、画面を共有する遠隔操作アプリを入れさせ、最後はやり取りを削除させていました。

メッセージを消すよう言われても、消さずに残してください。

この4つは、どれも相手の画面を見れば分かるものです。

ここからは、登録した後で不安になったときにすることを、状況ごとに分けて書きます。

LINE副業に登録した後で不安になったときにすること

LINE副業に登録しただけなら、それでお金を取られることはないので安心してください。

どこまで進んだかで、することが変わります。

登録しただけの場合

まだ何も払っていないなら、慌てる必要はありません。

おかしいと感じたら、届いたメッセージの画面を残してからブロックしても大丈夫です。

名前や電話番号を送っていなければ、相手があなたに連絡してくる手段はほとんどありません。

お金を払った・払うように言われている場合

すでに払っていても、追加の支払いには応じないでください。

国民生活センターも書いている通り、いったん振り込むと取り戻すのは難しくなります。

これまでのやり取り、振込先の口座名、相手のLINEアカウント名は、画面ごと残しておいてください。

借り入れやアプリのインストールを求められた場合

遠隔操作アプリを入れてしまったなら、まずアンインストールしてください。

国民生活センターの注意喚起でも、遠隔操作アプリには注意するよう書かれています。

入れると、望まない操作をされたり、パスワードなどの大事な情報を見られたりする恐れがあるからです。

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登録後に渡さないでほしいもの
  • 運転免許証などの身分証の画像
  • 銀行口座のパスワード
  • 消費者金融の申込画面

状況ごとにすることは、次のように分かれます。

今の状況すること
登録しただけ慌てなくて大丈夫
払った・払えと言われた追加で払わずやり取りを残す
アプリを入れたアンインストールする

どの段階でも、相手の言うとおりに急いで動かないことがいちばん大事です。

LINE副業は中身が見えないまま払わない|まとめ

LINE副業は、LINEを使っていること自体が怪しいわけではありません。

怪しいのは、仕事の中身と報酬の出どころが見えないまま、お金を求めてくる副業です。

LINEに登録すること自体は、怖がらなくて大丈夫です。

国民生活センターの数字では、簡単な副業の平均契約額は約106万円まで上がっています。

これは2024年度(7月末まで)の数字です。

どれも、最初は「スマホで簡単に」という軽い話から始まっていました。

副業を探すこと自体は、何も悪いことではありません。

何をする仕事で、報酬がどこから出るのか。

この2つが払う前に説明されない副業は、やめておいて大丈夫です。

これから副業を始める方は、なぜ今これほど副業の話が増えているのかも知っておくと落ち着いて考えられます。

増えている理由と、始める前に知っておきたいことは、別の記事にまとめています。

副業を始めたい人が増えている理由と始める前に知りたい注意点

数字で見ると、副業をしたい人の数と副業の相談件数は、同じ時期に増えています。